住民の声を聴かずに進めた施策が、後に反発を招き、見直しや中断に追い込まれる――。
その際に失われる時間やコストは、住民や行政にとって大きな負担となります。
多様な声を丁寧に拾い上げ、構想段階から区民の皆さんとともにつくり上げた政策は、後戻りすることのない「揺るぎない一歩」となります。
対話は決して「遠回り」ではありません。最短・最速で暮らしをアップデートするための、最も賢明な先行投資です。
「対話の区政」とは
「対話の区政」とは、行政と区民が課題を共有し、ともに考え、決断し、実行する、そのしくみです。
活気ある商店街の風景、心安らぐ行きつけのお店、子どもたちの声が響く公園、そして誰もが安心して歳を重ねられる。地域には「数値化できない豊かさ」がたくさんあります。
こうした価値をもっと豊かにするために区民とともに考え、とことん対話し、まちを育む。この「対話の区政」という土壌から、杉並の新しい未来を形にしていきます。
対話の区政 4つのステップ
01情報の公開・共有
区の情報は区民のもの。住民との情報共有は、対話の区政の基盤です。
- 積極的な情報公開を進めています。
- 区のウェブサイトを全面リニューアル。区の基本データや区政に関する情報を今まで以上に活用できます。
- 区民にわかりやすい情報の整理と共有
02安心して意見を言える対話・熟議の場
異なる意見を持つ多様な住民が参加し、安心して議論できる場をつくっています。
- 無作為抽出の手法などを用いた聴っくオフミーティング・気候区民会議
- デジタル公民連携プラットフォーム:すぎなみボイスとすぎなみプラス
04実行し、検証し、改善する好循環を
対話のカタチは多様です。区民と行政の信頼を培い、新しい協働が生まれることで行政はよりよい政策をつくることができます。区民の意見や提案を踏まえた事業の結果をさらに区民と共有・検証し、改善していきます。
03みんなでつくる「納得解」
意見や立場の違いを理解し合い、区民・職員・専門家などが協力して合意形成を進めます。
- 施設マネジメント計画・まちの将来像を考える「デザイン会議」(高円寺、西荻窪、南阿佐ヶ谷)・あさがやまちづくりセッション・グリーンインフラ杉並区民会議(GIAS)など
4年間で進んだ主な対話の実践と成果
事例01
デザイン会議(西荻窪・高円寺・南阿佐ヶ谷)
かつて区民が知らないうちに事業認可が進められていた都市計画道路の問題について、区長の就任後に「さとことブレスト」を計16回開催しました。その流れを引き継ぐ形で、2024年に「(仮称)デザイン会議」が3地域で発足しました。毎回50人以上が参加し、住民が主体となってまちの将来像を話し合う場となっています。「異なる意見を持つ人が出会うこともなかった」状態から、行政と住民が同じテーブルで対話しながらまちづくりを進める仕組みへと変わりました。賛否さまざまな意見をまとめることは簡単ではありませんが、「よいまちにしたい」という共通の思いを起点に、協働のまちづくりが動き始めています。
事例02
気候区民会議——「くじ引き」で選ばれた77人の区民が気候変動対策を提案
2024年3月から8月にかけて全6回開催。無作為抽出で選んだ区民5,000人へ案内を送り、年齢・性別・居住エリアが杉並区全体の縮図に近い16歳以上の区民77人が参加しました。専門家から気候変動・エネルギー・みどり・交通などについて学びながら熟議を重ね、最終的に33項目の提案を区に提出。そのすべては気候危機対策推進本部で検討され、例えば「すぎなみコンポストプロジェクト」などが生まれました。
事例03
子どもとともにつくった
子どもの権利条例
小学5年生から高校生を対象に子どもワークショップを複数シーズンにわたって計12回以上開催。子どもたちの意見が区長や審議会委員に直接発表されました。こうしたプロセスを経て「杉並区子どもの権利に関する条例」が2025年4月1日に施行。「歩いて15分以内に安心できる居場所を」という目標を掲げた子どもの居場所づくり基本方針も2025年1月に策定されました。条例をつくった後も子どもの意見を聴く取り組みはずっと続いています。
事例04
住民とつくる公共施設の未来
これまでの「区立施設再編計画」を区民参加の「施設マネジメント計画」へ変更し、対話を始めました。例えば、旧若杉小学校(2008年閉校)の跡地活用について、2023年から周辺9町会の住民と計5回の意見交換を実施。その後もワークショップやオープンハウスを重ね、住民が複数の活用方法について意見を出し合った結果、防災・子育て・交流の拠点としての計画をつくることができました。「区が決めたことを住民に伝える」から「住民と一緒に考えて決める」へ——区政の基本姿勢が変わりました。
| 取り組み名 | 回数 |
|---|---|
| 聴っくオフミーティング(区長×区民の対話) | 30回 |
| 施設マネジメントワークショップ | 32回 |
| 子どもワークショップ | 33回 |
| さとことブレスト(都市計画道路) | 17回 |
| (仮称)デザイン会議(西荻・高円寺・南阿佐ヶ谷) | 32回 |
| あさがやまちづくりセッション | 11回 |
| グリーンインフラ推進会議 | 8回 |
| 気候区民会議 | 7回 |
| 下井草まちづくりラボ | 11回 |
| みどりの基本計画改定ワークショップ | 5回 |
| ナミーズカフェ(区長と職員との対話) | 39回 |
合計438回 のべ1万5000人が参加! これまでの対話の実績は44事業、実施回数438回、参加者は延べ約1万5000人にのぼります。実施した所管課の数も延べ47課に広がり、全庁的に定着・浸透しつつあります(2022年~2025年度末)
区民の満足度もアップ!
4年間の様々な取り組み・施策の結果、2025年5月の区民意向調査では「区の事業やサービスに満足していますか」との質問に対し、「とても満足」「まあ満足」と回答した人の割合が83.7%と高く、2022年の調査から5ポイントも上昇しています。
さまざまな参加のカタチ
無作為抽出(くじ引き)
住民基本台帳から無作為に抽出し、案内を送る方法です。特定の関心層に偏らない参加を実現します。声の大きな人ではなく、ふだん区政にかかわる機会の少ない方の参加を促すために設計された、公平な参加の仕組みです。
具体例気候区民会議(2024年度)
16歳以上の区民5,000名に無作為で案内を送付。応募者の中から年齢・性別・居住エリアのバランスを考慮して77名を抽選し、全6回の熟議を実施。77名の区民が33項目の意見提案をまとめました。
気候区民会議の詳細はこちら一般募集・地域限定参加
テーマや地域課題に応じて、対象エリアや参加資格を設定した募集を行います。地域のまちづくりや施設のあり方についてなど、身近なテーマで自分の意見を直接届けたい方に向いています。
具体例グリーンインフラ推進会議(2024年度)
善福寺川流域の水害対策をテーマに、専門家の講義と区民の意見交換を組み合わせた勉強会・推進会議を複数回開催。防災・治水という身近な問題を区民と区が一緒に考え、2025年度予算(「水害対策にグリーンインフラを活用しよう」18,964千円)にも反映されました。
公民連携のデジタルプラットフォーム
日時・場所を問わず、さまざまなテーマに意見を投稿できるオンラインプラットフォームです。区民のネットワーキング・意見交換・意見表明の場として機能しています。
すぎなみボイス
「すぎなみボイス」は、いつでも、どこにいてもさまざまな立場の区民がインターネット上で意見やアイデアを投稿できる意見集約の場です。例えば、区から「日々の暮らしの中で、『みどり』の効果をどのように感じていますか?」「杉並の好きな場所は?」などの問いかけをすると、多くの区民から多様な回答が届きます。参加型予算の情報発信・投票にも活用されています。
すぎなみプラス
地域共創型ポータルサイト「すぎなみプラス」は、「自らの活動を充実させたい」と思う個人や団体と、「ノウハウや人材・場所等を提供して協力したい」と思う個人・団体がつながり、新たな活動・コミュニティを生み出していく場です。今まで出会えなかった人たちが協力し、地域の課題解決力をアップさせるしくみです。
まずはここから! 登録後すぐに意見投稿・プロジェクト参加が可能です。
すぎなみボイスへのアクセスはこちら参加型予算
区民が直接「税金の使い道」を提案・投票する仕組みです。2023年度よりモデル実施を開始し、3年連続で区民提案・区民投票を実施してきました。
参加者は年々拡大しています
| 年度 | テーマ | 提案件数 | 投票者数 | 投票数 |
|---|---|---|---|---|
| 2023年度 | 森林環境(森林環境譲与税の活用) | 57件 | 2,469人 | 6,991票 |
| 2024年度 | 防災・減災 | 83件 | 3,322人 | 8,749票 |
| 2025年度 | 健康・ウェルネス | 143件 | 5,441人 | 13,279票 |
2026年度予算に反映された事業(2025年度投票結果より)
- 公園にミストシャワーを設置(妙正寺公園・高円寺北一みどり公園・成宗さくら公園 予算2,000万円)
- 公園にパパママウェルネス休憩所を設置(杉並児童交通公園・桃井原っぱ公園 予算1,810万円)
- アートを楽しみながら杉並を歩こう(阿佐谷・高円寺地域 予算1,235万円)
提案から投票、予算化、議会議決まで一貫したプロセスが公式ウェブサイトで全公開されています。
参加型予算の詳細・結果はこちら


